第19章 統一教会の存在目的に関する御言の解説 -100ヶ条の提題【原理本論概説】
統一教会の存在目的に関しては、一言で語ることはとてもできない多面的な内容がありますが、一番重要な目的は、「第3イスラエル選民」としての使命を果たすために存在していたということです。それは、統一教会が設立された草創期の御言からも明確に読み取れます。(第68条)
統一教会では信徒たちに対して、「祝福式に参加すれば天国に入籍できる」と誤った教育を施してきたため、「祝福家庭」は「天国人」になったと信じてきましたが、文鮮明師の御言にはそのような原理観はありません。
御言には、祝福家庭は、第3イスラエル選民圏へ入籍した立場に止まっていることが繰り返し語られています。「祝福」は第3イスラエル選民としての権利を付与するための儀式だったのです。(第85条)
第3イスラエル選民を神が必要とされた理由は、第1、第2イスラエル選民であるユダヤ教とキリスト教において「メシヤ」を迎えることに失敗したためでした。即ち、ユダヤ教やキリスト教の最も重要な存在目的は、神が送られる「メシヤを迎える」ためでしたが、その使命を失敗してしまったために、それらに代わる第3のイスラエル選民としての統一教会が必要となったのでした。
文鮮明師の御言によれば、イスラエル選民はメシヤを迎えるための準備の基台として存在し、イスラエルの国をメシヤの「着陸地」として建国されるのです。(第92条)
イスラエル選民の使命が「メシヤを迎えるための準備の基台」であれば、第3イスラエルとしての統一教会の使命も同じものであるはずです。従って、統一教会の最も重要な存在目的も、「メシヤを迎える」ためであり、その活動の歴史は「メシヤを迎えるための準備」に必要な期間であったといえます。
キリスト教の始まりは、イエス様が十字架上で殺害され、3日後に復活されたところから新しい第2イスラエル選民圏として出発しました。メシヤとして来られたイエス様が、十字架から復活された後は、神に仕える天使長の立場で選民圏を導いていかれ、2000年の歴史を費やして、再臨のメシヤを迎えるための内外の準備の基台を造成していったのです。
統一教会の場合も同じように、第2イスラエル選民圏が再臨のメシヤを受け入れることができず失敗したために、新しい第3イスラエル圏として出発しました。それは、イエス様と全く同じように、再臨のメシヤが十字架から復活した後のことでした。
地獄の神々は誰である
再臨のメシヤにとっての十字架は、韓国キリスト教会の牧師たちの背信行為によって追いやられた、興南強制労働所での3年間の苛酷な死との戦いでした。イエス様の墓中3日間を、3年間という、より大きな蕩減条件を立てて取り戻すための期間だったのです。この間、イエス様が失った12弟子を象徴する人たちを立て、イエス様の32年間の生涯を象徴する32ヶ月を取り戻し、サタンを象徴する共産党の看守たちを完全屈服させ、新しい出発をするために必要な全ての蕩減条件を立てることによって、十字架路程から奇跡的に復活されました。
本来は、メシヤとしての使命を持ってこられた文鮮明師でしたが、イエス様の場合と同じく、十字架から復活された後は、神に仕える天使長の立場で新しい第3イスラエル選民圏を導いて来られました。そして、40年の歳月を費やして、その基台を世界的な基盤として完成していったのです。
ここに、キリスト教が出発していった経緯と統一教会が出発していった経緯に、復帰摂理的な同時性(相似性)の歴史があったことが明確に分かります。そして、イエス様が復活後に立たれた天使長としての原理的な位置と、文鮮明師が復活後に立たれた原理的な位置が同じ立場であることを理解することができます。再臨のメシヤも、同時性の原理に従って、蕩減復帰摂理上の天使長の使命を担って、再び、新しい選民圏の構築をしなければならなかったのです。
ユダヤ教の失敗の後、キリスト教が再臨のメシヤを迎えるために2000年の期間を要したように、統一教会もメシヤを再び迎えるためには、キリスト教に代わる世界的基盤を取り戻したという蕩減条件を成立させ、キリスト教の殉教精神以上の内的なサタン分立基準を立てなければなりませんでした。
第3イスラエルは、2000年までに、「祝福家庭」の版図を世界的に、天宙的に拡大していくことを通して、キリスト教の基盤を取り戻す象徴的条件を成立させました。文鮮明師が誕生された当時のキリスト教徒の数は約8億人でしたが、統一教会では、祝福家庭を拡大することによって1999年に4億双を成し遂げ、8億人以上の第3イスラエル選民圏を立てることができました。それは、文鮮明師が1960年に御聖婚され、3弟子たちの祝福式が初めて挙行された時から、40年間の歳月を必要としたのでした。
文鮮明師が、このような蕩減復帰摂理上の路程を歩んで行かれるにあたっては、想像を絶するご苦労がありました。その路程は、まさに血と汗と涙の路程であったことは間違いありません。ここに、その心情の一端がうかがえる御言を紹介しておきます。
■ 文鮮明師の御言
栄光のセント。
神は、イスラエル選民を、メシヤの世界救済の使命に対して準備する器として用いようとされました。しかし、イスラエル民族は、それを知らなかったのです。
(御旨と世界 270頁 人間に対する神の希望)
4000年歴史を蕩減するための生涯を中心として、一代において40年期間という最短期間を中心として、蕩減すべき道を再び出発しなければならないその立場は、あまりにも悲しい立場であるということを、この地上の誰も知らないのです。
…(中略)… 悲しみの行路を中心として、歓喜する環境から追放され、反対される道である家庭的荒野40年路程を行ったのです。天の祝福基準を失ってしまい、再びこれを復帰して帰っていくためには、歴史的な4000年の摂理歴史の中でなされた全ての事件が、御父母様を中心としてサタンによって再び試験されるという過程を経なければなりません。
そうして、そこにおいて倒れることなく今まで来たという事実は、天が私を保護されるためにどれほど苦労されたかということなのです。そのような事実を、皆さんは知らなければなりません。このことを考えるときに、苦労された神様の歴史を振り返って見詰めるとき、これは悲痛であり、無念であり、痛哭の歴史以外の何ものでもないという事実を皆さんは知らなければなりません。
(ファミリー1999/2 14頁 「神の日」)
キリスト教が反対することによって、先生の家庭が完全に分かれていってしまったのです。 ・…(中略)… 人類の第1イスラエル、第2イスラエル、第3イスラエルまで、全ての民と全ての国を一つにして、侵犯されないように金城鉄壁を成さなければならないのに、門を全て開いてしまいました。主人が山ウサギを捕まえに行って留守なので、その間に虎が、家のウサギを食べていったのです。そのようになったというのです。
怨讐を愛さなければ帰る道がないという、神様の流れ者のような立場を誰が理解してくれましたか? …(中略)… 血と汗を流した自分の息子、娘の血肉を抜いて祭物とし、それを売った血の代価を彼らのためにまき、教育して大会をしながら、天に接ぎ木しようとする師の心を、誰が知っていましたか?
(ファミリー2001/2 64頁~ 第三四回 真の神の日記念礼拝)
なぜそれがクリスタルnacchtと呼ばれています
涙によって開拓されたこの教会の基台です。あなた方は何も知りません。第一、先生は語らなかったのですから。なぜなら自分自身の歩んだかかる苦闘の40年路程は、二度と誰にも味わってもらいたくありませんし、息子や娘たちにはできるだけやさしい道を残してあげたいのが、親としての先生の気持ちです。
(御旨と世界 609頁 創立以前の内的教会)
文鮮明師の全生涯は、失敗したイスラエル選民の歴史を総蕩減するために費やされました。統一教会の第1次40年路程は、失われた第1、第2イスラエル選民の4000年歴史の条件的基盤を取り戻すためだったのです。
この期間、文鮮明師の御家庭には、サタンが侵入できないような鉄壁を立て守らねばならないにもかかわらず、そうすることができないまま、山ウサギ(祝福家庭)を探し出すために、ご自身の家庭を犠牲にしたのです。虎(サタン)が家ウサギ(御子女様)の命を奪っていきました。祝福家庭を先に愛さなければ、再び神の下に帰って行くことのできない荒野を流浪するような立場でした。
文鮮明師はご自身の息子娘を祭物として、犠牲の血の代価で「祝福」を私たちに下さったのです。今日までの統一教会の歴史の中で、摂理的失敗の度に、実際に何人もの御子女様たちが不慮の事故でお亡くなりになりました。そして、弟子の無知蒙昧な失敗で文鮮明師ご自身が無実の罪で牢獄へと入って行かれました。統一教会の歴史の中にも累々と十字架の犠牲の血が流されていったのです。
しかし、ご自身の一切の事情を語ることもないまま、人類の真の父母として、私たちが行くべき道を開拓し、襲いかかる苦難を取り除くために、身悶えしながら90年の全生涯を神の前に捧げて歩んでこられたのでした。そして、2000年までに、失った選民の基盤を全て取り戻したのです。
再臨のメシヤの血の代価で頂いた「祝福」であったならば、今度は私たち「祝福家庭」がその恩に報いなければなりません。統一教会の存在目的を明確に理解して、今後「祝福家庭」が成すべき使命と責任を果していかなければなりません。
それでは、今後、いかなる使命を果たしていかなければならないのでしょうか? 第3イスラエル選民としての統一教会は、いかなる摂理的段階を迎えているのでしょうか? 文鮮明師は、今の時が第4段階としての完成時代に入っていることを教えておられます。
■ 文鮮明師の御言
歴史的にみれば旧約時代は万物時代、新約時代は子女時代、成約時代は父母時代です。父母が主になるのです。これからは全て解放時代です。祝福解放時代です。神様も成約時代ですが、神様完成時代です。地上天国、天上天国、解放時代、み旨完成時代が四段階です。
…(中略)… 堕落することによって蕩減すべき4段階が生じたので、これを総蕩減するためには4数で4代の生きた祭物を捧げなければなりません。いっぺんに4つの祭物を捧げなければならないのです。復帰摂理も4段階です。旧約時代、新約時代、成約時代、完成時代。…(中略)… 今は、これらが全て一つになって、天国実現につながっていく時を迎えました。
(ファミリー1998/11 15頁~ 摂理的総整理)
蕩減復帰摂理歴史は、旧約、新約、成約、そして完成時代と4段階になります。旧約、新約時代を取り戻すための、統一教会による「第3イスラエル選民圏拡大時代」(1960~2000年)までは、第3段階の「成約的蕩減時代」に当たります。今、第4段階の完成時代を迎え、イスラエル選民圏が第4段階の実体完成時代に入りました。
2003三年8月、「第4イスラエル国出発宣布式」が挙行され、同時に「第4イスラエル入籍のための聖酒式」が執り行われたのは、時代が新しい第4イスラエル時代に移行したことを知らせる内容でした。文鮮明師は、第3イスラエルの基盤を通し、2000年までに「祝福家庭」の版図を世界的に、天宙的に拡大していくことを通して、ユダヤ教やキリスト教の基盤を取り戻す象徴的条件を成立させ、その勝利基盤を4段階目の完成時代へ連結させていったのでした。
そして、統一教会の信徒たちに向かって大号令をかけられたのでした。
「大移動しなさい!」「み旨完成時代が来た!」「第4次アダム心情圏時代が来た!」と。
新しい船が、新大陸を目指して出港しました。
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