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Christian Dior Fired Its Star Designer John Galliano
クリスチャン・ディオールが人種差別発言を受けて
ジョン・ガリアーノを正式解雇!
3月1日、火曜日にクリスチャン・ディオールが発表したのが、過去15年に渡って同ブランドのチーフ・デザイナーを務めてきたジョン・ガリアーノの解雇。
2011年秋冬シーズンのファッション・ショーを3月4日、金曜日に控えての決定であるけれど、 ジョン・ガリアーノは、既に2月25日から、クリスチャン・ディオールのデザイナーのポジションを停職処分にされていたのだった。
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事の発端となったのは、彼がパリの行きつけのバーで行なった人種差別発言。
ジョン・ガリアーノは2月24日、木曜夜にレストランで、隣のテーブルに座ったユダヤ人女性とアジア人男性のカップルに対し、酔っ払って 反ユダヤ教及び、アジア人差別の発言を行なったとされており、 彼は、その場で逮捕され、その後釈放されているのだった。
この事態を受けてクリスチャン・ディオールは、翌日金曜日に、ジョン・ガリアーノを停職処分にしており、 パリのファッション・ウィークを直前に控えた時期であっただけに ファッション業界を驚かせたのだった。 クリスチャン・ディオールのスポークスマンは、「クリスチャン・ディオールは、いかなる反ユダヤ、及び人種差別行為、発言も認めないポジションである」と コメントしていたけれど、ディオール側が事実を確認する以前に ガリアーノを停職処分にした要因の1つは、 週末にアカデミー賞授賞式を控えていたためとも言われているのだった。
というのもハリウッドと言えば、そのマジョリティはユダヤ人。 なので、反ユダヤ発言をブランドのチーフ・デザイナーがしたとあっては、オスカーのレッド・カーペット上でディオールの ドレスを着用するセレブリティが皆無となるのは目に見えていること。 そうすれば、ディオールは年間最大のパブリシティを失うと共に、ハリウッドのセレブリティやそのスタイリストからの支持も失うことが 用意に予測されるのだった。
結局、オスカーでは、ニコル・キッドマン、ディオールの広告に出演しているシャロン・ストーンの2人がクリスチャン・ディオールを着用したけれど、 これを「例年より少ないのは、ガリアーノ発言の影響」と分析するメディアも見られていたのだった。
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ガリアーノが語ったと言われる問題発言は、まず女性に対して、「Bitch/ビッチ(あばずれ)」と罵った後、 「Dirty Jewish face, you should be dead. Fu--ing (ファッキング) Asian bastard, I will kill you」 (汚いユダヤ人、お前は死ぬべきだ、 アジア人のろくでなし、お前を殺してやる!)
しかし、この事件で逮捕、釈放された後のガリアーノは、彼の方がトラブルに巻き込まれた犠牲者であるとして、 証人を立てて、対決姿勢を見せていたのだった。
でも、そんな彼に自己弁護の余地がなくなったのが、2月28日、日曜にイギリスのタブロイド誌、ザ・サンのウェブサイトに ポストされたビデオ。この中で、彼は「アイ・ラブ・ヒットラー」と語り、 「People like you would be dead. Your mothers, your forefathers, would all be f**king gassed.」 (お前らのような人間は死ねばいい。お前の母親も父親もガス室送りだ!)とユダヤ人蔑視の発言を 行なっており、撮影されたのは彼が24日に問題発言をしたバー、ル・パールであると言われているのだった。
またこのビデオとは別に、2月26日土曜日には、ジョン・ガリアーノに昨年10月、ル・パールで人種差別発言を受けたという 女性が警察に名乗り出てきており、彼が逮捕された2月24日の夜に、苛立ちとフラストレーションのあまり、 人種差別発言をしたのではなく、日ごろから彼が人種差別主義者であったことを暗示させる結果となったのだった。
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でも、やはりジョン・ガリアーノ解雇の引き金となったのは、人種差別発言の動かぬ証拠となったビデオ。
このビデオは、インターネット上で瞬く間に広まることになったけれど、 これに対して「ショックを受けたと同時に、非常に気分が悪い」とコメントしたのが、 今年のオスカーで主演女優賞を受賞したナタリー・ポートマン。
ナタリー・ポートマンは昨年秋から、ディオールのフレグランスのスポークス・モデルに起用されていたけれど、 その彼女はイスラエル生まれのユダヤ人。 ナタリー・ポートマンは「誇りを持つユダヤ人の1人として、ジョン・ガリアーノとは今後一切の関わりを持たない。」と 厳しい発言を行なっているのだった。
この状況をシリアスに捉えた クリスチャン・ディオール側は、 3月1日火曜日に 「ビデオの中のジョン・ガリアーノの発言を受けて、彼を正式に解雇する」と表明。
既に、彼の後任の人選が進んでいることがメディアではレポートされているのだった。
それによれば、名前が挙がっているのは、ジヴァンシーのデザイナー、リカルド・ティッシュ、イヴ・サンローランのデザイナー、 ステファノ・ピラーティ、かつてディオール・オムのデザイナーだったエディ・スリマエ、加えてトム・フォードの名前も浮上していることが 伝えられているのだった。
ジョン・ガリアーノは、1960年生まれ。自らのブランドをロンドンでスタートさせたのは、1984年のことで、4年後の88年には、 ブリティッシュ・デザイナー・オブ・ジ・イヤーに選ばれるに至っている。
91年には、パリに活動拠点を移し、アメリカン・ヴォーグの編集長、アナ・ウィンターにその才能を大きく評価されるようになる。 ファッション・メディアの最高峰からのパブリシティを獲得するようになった彼は、1995年、 LVMH (モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン)傘下ブランド、ジヴァンシーのデザイナーに起用され、 その1996年には、同じくLVMH傘下のクリスチャン・ディオールのデザイナーに就任。 以来、クリスチャン・ディオールのプレタポルテ、オートクチュールのコレクション、およびそのキャンペーンを全て 監修すると同時に、自らのコレクションも引き続き展開し続けるという多忙な生活を送ってきたことは周知の通り。
彼は、ブランド創設者である、故クリスチャン・ディオールが一世を風靡した「ニュールック」に忠実でありながら、 それにシアトリカルで、クリエイティブの限界を極めるコレクションを、多額のバジェットを投じたセッティングで 発表し続け、パリ・コレクションでは常に最も話題を提供したデザイナーの1人。
しかし、昨年年明け早々、自殺を図ったアレクサンダー・マックィーン同様、 ジョン・ガリアーノの周囲の人々が語るのは、彼が精神的には決して健康的とは言えなかったこと。 ガリアーノは、これまでにも問題を感じさせる行動が頻繁にあったものの、それに蓋をして、何事も無いように 表面を取り繕ってきたのが クリスチャン・ディオール側であったことを彼の知人は匿名でメディアにコメントしているのだった。
さらに彼の周囲が危惧するのは、ジョン・ガリアーノのファッション業界における将来。
現在のファッション業界は、メジャー・コーポレートが主権を握るビジネス主導の世界。 そんな中で、人種差別主義者、人種差別発言者をデザイナーとして雇うことは、企業イメージを損ねるのは言うまでも無いことであり、 非買運動が起こっても決して不思議ではない状況。
ケイト・モスのようにドラッグ常用などがスキャンダルになったのであれば、あくまで個人のトラブルとして、 カムバックの可能性が残されているけれど、 人種差別発言は プロ・フットボールのクォーターバックから、企業のCEOまでが職を追われる反社会的行為。
それだけに、ジョン・ガリアーノに有り余る才能があることをファッション業界の誰もが認めていたとしても、 彼を今後デザイナーに起用しようというブランドは現れないのは明らかであるし、 彼自身のビジネスからもバッカーが離れていくのは目に見えている事態。
現時点では、彼が起訴されるかは未だはっきりしていないものの、罪に問われる、問われない以前に、 彼に対するキャリア上の審判は既に下されたと言える状況になっているのである。
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