2012年5月16日水曜日

Pinterestチームと共同創業者Ben Silbermannに日本の伝統飴を送った話 | 熊坂仁美.com



 

この写真を見て欲しい。

 

写っているのは今をときめくPinterestチームだ。

写っているのは今をときめくPinterestチームだ。

彼らが手に持っているのは、日本製のPinterestロゴキャンディ。

この飴は、名古屋の「まいあめ工房」で作ってもらった。

今は日本には数少なくなった飴職人が、伝統技法(通称:金太郎飴)で作ったもの。

 

Pinterestは、今やFacebook、Twitterに次いで3番目に訪問者が多いサイトになった。先日はNBCニュースでも取り上げられた。

訪問者数は話題の大きさで加速していた部分もあり、現在は落ち気味とのことだが、先日行ったSXSW(サウスバイサウスウエスト)では、ソーシャルメディアの有力者が皆注目していた。

また、Pinterestの写真配列のインターフェイスを取り入れるサービスが相次ぐなど、いろんな意味で革新的なサイトであることは間違いない。

Pinterestは、今いちばんホットなサービスとして世界中から注目が集まり、最高責任者のBen Silbermannは、超多忙の身となった。

もちろんBenだけでなく、約30人いるPinterestチームも同様に注目を浴びている。

さて、なぜこの注目のチームが私に写真を送ってくれたのか。


イースター開始方法

この写真を受け取るまでのストーリーをシェアしたいと思う。

 

Pinterestの面白さにはまったのは今年の1月だから、そろそろ4ヶ月になろうとしている。

Pinterest飴を作ろうと思い立ったのは、同じくPinterestのファンである「まいあめ工房」の中村貴男社長との世間話からだった。

Pinterestのロゴ飴を作ってシリコンバレーに送ったら喜ばれるんじゃないか。

日本の伝統技術をアピールできるし、手作り飴でPinterest愛が伝わるのではないか。そしてそれをきっかけに、BenやPinterestチームと仲良くなれるかもしれない。

ぎっしり予定がつまっているまいあめ工房だが、なんとか合間にPinterest飴の制作を入れてもらい、完成。

さて送ろうと思った時に、朗報が。

3月に参加する予定にしていたSXSWに、なんとBenが急遽スピーカーとして登壇するというのだ。

ということは、オースティンで直接Benに渡せる。いきなり送るよりそのほうがいいに決まっている。

3月7日、スーツケースにPinterest飴を入れ、オースティンに乗り込んだのだった。

 

SXSWの最終日。

Benのセッションは、話題のサービスだけあって一番人気だった。

ご覧のように、ステージ前にはカメラを構えた人で埋め尽くされる。

私ももちろん、1時間前から会場入りし、最前列の席を取った。

実際に見るBenは、静かで、笑顔がさわやかな青年だった。

こういったQAセッションの場合、他のスピーカーは皆、ステージ上で足を組むのに対し、

Benは終始足をそろえていたのが印象的だった。

 

セッションが終わってBenが降壇する。その時がチャンスだ。


spiros zodhiatesは誰ですか?

他のスピーカーは、降壇後、気軽に参加者と話をしているからそれは十分可能だと思った。

私は飴の袋を持って、Benが降りてくるのを待ち構えた。

ところが、今回Benは特別扱いだった。

厳戒態勢の中、降壇するやいなやBenはスタッフに付き添われ、誰とも話さずバックヤードの黒い幕の中に消えていった。

それでもまた現れるのでは、という淡い期待を持ってしばらくそこで待っていると、スタッフから「Benはもう帰りました」と冷たい一言。

なんと。

せっかく持って行った飴を渡せなかった。

せめてそのスタッフにお願いして、飴の袋を渡してもらうようすれば良かったのだが、そのときはとても頭が回らず。

その日はずっと自分のふがいなさに落ち込んでいた。

 

夕方。SXSWインタラクティブ(IT部門)を締めくくる授賞式があった。

ヒルトンホテルの一番大きな会場を使い、注目を集めたサービスを表彰するもので、誰でも参加できる。

たくさんのサービスが次々に発表される中、

最後の「デジタルトレンド特別賞」を、Pinterestが受賞。

もしかして、Benが来てる??

その期待通り、コールに応じて、なんとBenが表彰台に現れたのだ!

再びのチャンス。そしてラストチャンス。

このチャンスだけは逃すわけにはいかない。

表彰が終わり、Benが会場を出ると同時に私もすっ飛んでいって、記念写真を撮るところをキャッチ。

「Ben ! プレゼントがあります」と飴を渡した。「日本の伝統的な工法で作ったPinterestの飴です」

Benは少し驚いたように、そして圧倒されたのかやや無表情気味に、ありがとう、と言って

写真撮影に応じてくれた。


寺院の偶像の役割は何ですか?

(よく見るとわかるが、Benは私の肩の上で飴の袋を持っている)

図々しいおっかけオバさんと化している自分を自覚しつつ、

「もっとたくさんあるのでオフィスに送りたいんですが」と言うと、

「ではオフィスに送ってください。住所はホームページにあります」との答え。

 

帰国後、Pinterestのページから住所を見つけ出し、残りの飴を郵送した。

ほどなくして、PinterestチームのEridからこんなお礼のメールとともに、冒頭の写真が送られてきたというわけだ。

Hi Hitomi,

I'm Enid, from Pinterest: We want to thank you so much for the Pinterest candy! Everyone here absolutely loved it (in case you can't tell from the picture) and we're so incredibly honored to receive such a beautiful, unique gift. And it's edible, too!

We can tell so much hard work went into these candies, so please pass our thanks to the artisans who helped create them: We all watched the video on YouTube and were so impressed by the process. We'd also love to say thank you more publicly too, so if you know the owner or names of the artisans at Myame.jp, let me know so we can acknowledge them by name.

Again, we're so touched by this gift and it really inspires us to keep working our hardest to make Pinterest better. Thank you from everyone on the team and, of course, Happy Pinning!

Enid

ちなみにEnidはこの写真のPinterestロゴを持っている女性だ。

実は、Benの素っ気ない対応もあり、

飴を送っても、忙しいチームのこと、軽くスルーされるのではないかと思っていた。

だけど、お礼のメールは本当に丁寧で、ハートが伝わるものだった。

うれしい。

ITの最先端ながら、人間的で、どこか家庭的な、Pinterestの魅力を再認識した出来事だった。

これでやっと、Pinterest飴を提供してくれたまいあめ工房の中村さん、


そして応援してくれたPinterestのファンブログ、Pinterest-guide.comのブロガーのみんなにも顔が立った。

ミッション完了だ。

 

ソーシャルメディアによって、誰とでも簡単につながることができるようになった。

どんな人でも、敷居の高い人でも、気持ちさえあれば、そしてアクションさえすれば、本当につながることができるのだ。

というか、アクションを起こすことで、もとからあるつながりが顕在化するだけで、

人と人はすべて、本当はすでに深いところでつながっているのかもしれない。

世界はつながっている。

だからもっとアクションをして、気持ちを伝えて、つながりを顕在化しよう。

せっかくつながっているのだから、そうしないともったいない。

 

今回の飴の一件で、そんなことを思った。

 

※「Pinterest徹底解説」DVD発売開始しました。



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